こんな症状でお悩みの方(内科的疾患は除きます)
腰痛症:
腰椎椎間板ヘルニア、腰椎変形性脊椎症、腰部脊柱管狭窄症
頚肩腕痛:
頚椎症性脊髄症、頚肩腕症候群、五十肩、胸郭出口症候群
頭痛・顔面痛:
筋収縮性頭痛、片頭痛・群発頭痛、三又神経痛、口腔内痛、舌痛症
末梢血管障害:
上肢・下肢慢性動脈閉塞症、レイノー病、冷え症
自律神経失調症:
パニック障害、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、更年期障害
その他:
顔面神経麻痺、突発性難聴、メニエール症候群
腰痛・肩こり・頭痛など各種の痛みを神経ブロック療法・薬物療法を用いて治療します。
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前9:00~午後1:00 | ● | - | ● | ● | ● | ● | ● |
※ 午後は休診です。
※ 火曜・祝日は休診日です。(日曜診療)
↓ 写真をクリックすると拡大します
院長 福井 哲郎
日本ペインクリニック学会認定
ペインクリニック専門医
前中国労災病院⿇麻酔科部長
平成元年より27年まで
日本ペインクリニック学会評議員
福井クリニックは、先代が福井内科医院として30年間開業していた場所に平成2年4月に仮診療所を併設し、その後、建物を新築して平成3年4月に麻酔科・内科を標榜する福井クリニックとしてオープンしました。
以来今日まで30年以上、神経ブロック治療専門のペインクリニックとして、たくさんの痛みに苦しむ患者さんを診療し、その痛みを取り去ることに専心してきました。(※神経ブロック専門のペインクリニックということで、牽引や電気治療、マッサージ等の理学療法や針灸などの東洋医学療法、指圧や整体などは行っていません。)
前院長が呼吸器領域の内科診療を行っていた関係で、今まで気管支喘息やインフルエンザなどの呼吸器疾患、高血圧などの循環器疾患、甲状腺や糖尿病などの代謝性疾患の患者さんも診療を行っていましたが、令和4年4月からは内科の診療を終了し、ペインクリニック診療のみ行うことにいたしました。
福井クリニックは愛媛県内では数少ない神経ブロック専門のペインクリニックです。
個々の患者様に十分な時間をかけた丁寧な診察と、患者様に最適で効果的な神経ブロックの選択を心掛けています。
ペインクリニックという診療科名は最近でこそ一般的に使われる様になりましたが、私(院長)の師匠である元関東逓信病院ペインクリニック科部長若杉文吉博士が東京大学に日本で最初のペインクリニックを創設した1962年から50年程度にしかならない新しい分野です。
私が松山市に開業した当時はもちろん厚生省の定める診療標榜科にペインクリニック科というものは存在せず、多くは麻酔科を標榜していました。
これはこの分野の発展に麻酔科医が大きく貢献してきたためです。これまでの診療科が内科とか耳鼻科といった様に、人体の解剖学的一部分の疾患を専門的に診断・治療するのに対し、ペインクリニックは「痛み」という大きな症状を対象としています。
「痛み」はそれこそ頭の先から足の先まで全ての場所で起こるものであり、その全てに対応するためには、多くの診療科にまたがった知識と経験を必要とします。
従来麻酔科という科は手術の麻酔をするに当たって患者さんの全身状態を評価する必要があるため、幅広い内科的知識を要求され、また各科手術に対応するためそれぞれの科で取り扱う疾患や治療内容についても知っておく必要があり、ペインクリニックという新しい分野を担当するには適した位置にいました。
ある大病院で1日の外来患者さんを調べてみると、その80%までが何らかの痛みを訴えて来院していたという統計もあるほど「痛み」を訴える患者さんは多いにもかかわらず、それまで専門的に痛みを治療する科がなかったというのも不思議な気がします。
ペインクリニックという言葉は元々外来語で「痛みの治療所」という事ですから、その起源は西洋医学です。
従ってペインクリニックとは各種の神経ブロック法を使用して、主として痛みの診断や治療を行う所という事になります。
ここで主としてと断ったのはペインクリニックでは痛みのみでなく顔面神経麻痺や顔面痙攣など、ある種の神経麻痺の回復や痙攣の治療も行っているからです。
また日本では古くから針・灸を中心とした東洋医学が盛んに行われていた事情があり、日本に入ってきたペインクリニックはこれらの治療法と合わさり、単に神経ブロック法のみでなく、針 ・灸・漢方・更に理学療法をも取り入れた疼痛治療センターとして発展してきています。
痛みのある部位には、殆んどと言っていいくらい炎症がおこっています。炎症とは傷ついた組織が修復される過程でおこってくる生体反応で、その部位は痛みがあり熱を持って赤く腫れあがったりします。炎症は組織の修復が終われば自然になくなり、それに伴って痛みもなくなりますが、反応が先へ進んでいくためには、どうしても新鮮な血液が補給されることが必要で、それがないと炎症はいつまでも終わらず、従って痛みも慢性となります。
例えば、お風呂に入っていると痛みがやわらいでくるのは、局所の血流が一時的に良くなるからです。しかし、お湯に浸かっていられる時間はそれ程長くありません。神経ブロックを行うと、処置ベッドで寝ているだけで、痛みのある場所を1~2時間連続してお湯につけているのと同じ効果が得られます。特にお風呂に入ると軽くなるタイプの痛みは、神経ブロック治療の良い適応といえます。
神経ブロックとは、痛みが起こっている部位を支配する末梢神経を、その根元の部分で局所麻酔薬によって一時的に遮断し、痛みを感じなくさせる方法と一般的には考えられがちです。
しかしそれでは痛み止めを服用して、一時的に痛みを感じなくさせる方法とどこが違うのでしょうか?
末梢神経には、痛みを脳へ伝える求心路(帰り道)と、脳や脊髄の命令を痛みが起こっている場所に伝える遠心路(行く道)があります。末梢神経の根元で局所麻酔薬を作用させた時には、この行く道と帰る道の両方を遮断することになります。この遠心路を遮断することが痛みの部位の血のめぐりを改善し、筋肉の異常な緊張をとり、同部の炎症反応を先に進めて、人間の自己治癒機能を助けます。
痛み止めの飲み薬は、それに比べ、内服後、腸で吸収された痛み止めの成分が血液に乗って痛みのある部位まで運ばれ、痛み刺激を感じにくくするだけで、血行改善効果はありません。そればかりか、痛みのある部位はもともと血のめぐりが悪くなっているので、そこへ運ばれる痛み止めの成分はわずかしかなく、多くは血のめぐりの良い、痛みなどおこっていない部位に運ばれてしまいます。ここに大きな違いがあります。
しかし、目標とする神経の根元に最少量の局所麻酔薬を効果的に注入する方法は、今のところ注射しかありません。これが神経ブロック療法の最大の弱点です。痛みに苦しむ多くの患者さんは、現在の痛みが少しでも和らぐなら注射されることなどいとわない人が殆んどです。しかし、中には注射(針を刺されること)を絶対に受け入れられない人がいるのも事実です。
我々ペインクリニシャンは、患者さんに与える苦痛を最小限にするために、できるだけ細い針を使い、トレーニングを重ねて最短時間で処置が終る様に日々研鑽をしています。
それでも神経ブロック治療を断念せざるを得ない悔しい症例も一年に数人はおられます。
仮診療所開設以来、当院ペインクリニックを受診された患者さんの延べ数は15万1285人になります。
(平成2年4月~令和5年12月現在) ※内科的疾患での受診患者さんは除いています。
※神経ブロックは約50種類ありますが、当院で施行した上位8種の神経ブロック施行回数です。
1. 腰部硬膜外ブロック | 76,382回 |
---|---|
2. 星状神経節ブロック | 60,973回 |
3. 肩甲上神経ブロック | 8,032回 |
4. 腰部傍脊椎神経ブロック | 1,957回 |
5. 浅頚神経叢ブロック | 1,813回 |
6. 胸部硬膜外ブロック | 1,783回 |
7. 頚部硬膜外ブロック | 1,691回 |
8. 仙骨ブロック | 1,108回 |
病院で治療を受けている患者さん達のみでなく、この世の中にはたくさんの人たちが痛みで苦しんでいます。この痛みが無くなればどれ程、楽なことだろうと思っている人々はいっぱいいます。
では、「痛み」という感覚は何のためにあるのでしょうか?
「痛み」は人間を含む動物に差し迫った危険を知らせる警告だと考えられています。
例えば、火にかけたやかんを素手で触ってしまった時、熱さと同時に痛みを感じて思わず手を引っ込めるでしょう。もし、そのまま持ち続けていたら、きっと手を火傷してしまいます。そして、その後は素手では持たない様にしないといけないと学習します。
また急にお腹が痛くなった時、それがいつまでも続いたら誰でも何か変だと考えるはずです。きっと病院で診てもらう様にするでしょう、そして、詳しく検査することにより重大な病気が発見されるかもしれません。
この様な「痛み」の感覚は人間が安全に生きていく上で、なくてはならないものなのです。
ところがどうして痛むのかが解ったその瞬間から、「痛み」は人間にとって煩わしいだけのものになってしまいます。熱いやかんで手を火傷した時も、腹の痛みが食あたりによるものだと診断された時も、その後も続く「痛み」は、うっとおしく早く良くなってほしいと皆が思うでしょう。
診断がついてしまった痛みがどんな悪いことをするか?
例えば、開腹手術を受けた後に続く術後の痛みを例にとって考えてみましょう。
この時の痛みはもう警告としての役割はありません。どうして痛むのかは解っています。お腹を切ったからです。
この様に診断のついた痛みは人間にとって何の意義も持ちません。
早く「痛み」を取ってあげることが、どれだけ患者さんのためになるか良くわかります。
最初大したことないと思っていた痛みが、放置することによって次第にその範囲、強さを増してゆくことがあります。夜にゆっくり入浴してぐっすりと眠れば翌朝には消えていた 痛みもあれば、日を追う毎に右側だった痛みが左側にも拡がり、やがて強さのため夜も眠れなくなる痛みもあります。その違いは何なのでしょうか?
人の末梢神経は、いろいろな刺激を脳に伝える求心性と呼ばれる神経線維と、運動神経の様に脳からの命令を末梢に伝える遠心性線維と呼ばれるものに別れます。すなわち一つの神経の中に「帰る道」と「行く道」が同居していることになります。
求心性線維(帰る道)は、末梢からの刺激(例えば痛み)を脳に伝える途中で脊髄と呼ばれる場所で、遠心性線維(行く道)と連絡しています。これを脊髄反射と言いますが、このことが悪循環を作る原因になります。
即ち、痛み刺激は脳に伝わる途中で遠心性線維にも伝わり、その痛みをおこした場所の筋肉を固くしたり、血管を縮めたりする刺激を出します。筋肉が固くなり血のめぐりが更に悪くなった場所は、痛みを起こす原因が増加することになるため、更に強い痛みをおこして、その痛み刺激を再び脳に送ります。
その刺激は上に述べた脊髄反射によって更に血のめぐりを悪化させて、この様にして痛みは雪だるまの様に大きくなってゆくのです。
痛みを成長させるもうひとつの要因は、その痛みに悩まされる患者さんの心の中にあります。
痛みに苦しみながらそれを我慢するストレス、痛みのために服用する薬によるいろいろな副作用、いったいいつまでこの痛みと戦わねばならないのだろうという不安感、もしかしたら生涯直らないのではないかという絶望感などが、患者さんの心をむしばんでゆきます。
そしてその心理的な負担は、いつの間にか痛みと向き合う勇気を萎えさせ、今までであれば、それ程苦痛と思わなかった程度であったその周辺部の痛みまで、耐え難いと感じる様になることで痛みは範囲を拡大してゆきます。
人間の意志では制御できない神経系を自律神経系といい、交感神経と副交感神経があります。自律神経でない神経系を体性神経と言いますが、体性神経は例えばその中の運動神経を使う事により、物を取ったり、つかんだり、自分の意志で自由にコントロールする事ができます。ところが、自分の思う場所に汗をかいたり、鳥肌を立てたりと云う様な事は自分の意志では出来ません。これらの事は自律神経の内の交感神経が必要な時に自然に行って、体の機能を調節しています。ペインクリニックで主なターゲットとする神経は、この交感神経系です。交感神経は生命の維持に重要な役割を果たしている神経ですが、時として暴走することがあり、これがかえって痛みを増強させたり、心と体のバランスを崩したりして苦痛を生み出しています。
人の交感神経系は脊髄神経と密接に連絡しながら、脊髄とは別の経路を走っています。背骨の前側にあって、左右それぞれ頸部から腰部まで数珠の様につながっています。胸部から腰部まではそれぞれの背骨に一つずつ数珠の玉の様な膨らみがあり、その中には神経細胞が入っています。頸部は独特な構造になっており、頸の骨それぞれに数珠の玉が分かれてなくて3個のみですが、そのうち最も胸部に近い玉は大きく、形が周りに突起を出して星の形をしているため星状神経節と呼ばれています。
左右それぞれにある星状神経節のどちらかをターゲットにして、それが存在している場所(筋膜と筋膜にはさまれたコンパートメント)に局所麻酔薬を注射し、星状神経節の働きを1~2時間抑えるブロック治療です。星状神経節に直接注射しているわけではありません。
ペインクリニックと云う名前は、最近では整形外科や内科、外科など色々な診療科で使われていますが、星状神経節ブロックを日常的に行っているペインクリニックは恐らく麻酔科ペインクリニックだけだろうと思います。星状神経節ブロックを確実に安全に施行するには、かなりのトレーニングを積む必要があり、そのトレーニングを行える人や場所を提供できるのは麻酔科しかないだろうと思えるからです。
典型的な交感神経ブロックである星状神経節ブロックは、その支配領域である頸部、上胸部、肩部、腕や手などの痛みおよび血行障害に対する治療法として用いられて来た歴史があります。支配領域の血管を縮めて血のめぐりを悪くしている交感神経を一定の時間だけ、はたらかなくすることができるためです。昔から行われて来たこの星状神経節ブロックに注目してそのやり方を改良し、治療できる病気の範囲を革命的に拡大して実行されたのが私の恩師である若杉文吉博士でした。若杉博士は、当時総理大臣在職中であった有名な政治家の顔面神経麻痺に対し、星状神経節ブロックを計62回施行して治癒させた事で一躍マスコミに取り上げられ、部長として勤務する関東逓信病院は日本全国から新幹線の定期券まで買って通院する患者さんであふれました。
若杉先生の偉大な所は、毎日200人以上の患者さんに星状神経節ブロックを積み重ねるうちに、痛みや麻痺ばかりでなく、長年患ってきた治療法の乏しい持病がいつの間にか改善している事に気付いた事です。その一つが花粉症でした。新聞に花粉症に対する星状神経節ブロックの効果が掲載されると、電電公社の病院である関東逓信病院の電話線が一時焼き切れたほど、問い合わせが殺到しました。
星状神経節ブロックで治療可能な病状は、若杉先生の著書に網羅されていますが、それは今までどの医学書にも書かれていなかった事でした。パニック障害や更年期の不定愁訴などに、どうして星状神経節ブロックが効果を及ぼすのか?それは星状神経節ブロックによって血行が改善する部位の中に、脳が含まれているからだと考えられます。脳はすべての神経の中枢ですが、その中でも自律神経系の中枢である視床下部という部位の血行が改善する事で、体が本来持っている自己治癒力を取り戻す事ができるのだろうと云うのが若杉博士の結論です。
人間の体に流れている血液の中のナトリウムやカリウム、カルシウムといった塩分の濃度は、0.1mg単位の細かさで調節されています。これがわずかに狂っただけでも心臓が止まったり、筋肉が動かなくなったりします。また血液中を流れるホルモンの濃度も同じ様に、わずかな誤差も許されず調節されています。これは驚異的な精密さですが、これを行っているのが視床下部です。従って視床下部の働きが少しでもおかしくなると、生きていく上であちこちに歪みが出てくるのは容易に想像がつきます。
視床下部に積極的に働きかけて、それを正常に戻す手助けをする様な治療は、星状神経節ブロック以外には見つかりません。それを日常的に治療方法として採用している麻酔科ペインクリニックは、非常にユニークな診療科であると言えます。
舌痛症は珍しい病気ではありません。内服薬(のみ薬)や外用薬(つけ薬)では効果の乏しい辛い痛みにも星状神経節ブロックは、驚くほどよく効きます。
これについては、平成30年3月24日付けのリビング紙に記事を書いたところ、反響が大きかったので、許可を得て以下に掲載します。
【2018年3月24日号リビングまつやまより転載】
9月22日(日曜祝日)〜25日(水曜)まで、お盆の振替休診とさせていただきます。
8月11日 (日曜)12日(月曜祝日)、および28日(水曜)は、院長不在のため臨時休診いたします。
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前9:00~午後1:00 | ● | - | ● | ● | ● | ● | ● |
※ 午後は休診です。
※ 火曜・祝日は休診日です。(日曜診療)
TEL:089-921-9658
(または、090-1327-9658)
医院名称 | 福井クリニック |
---|---|
院長 | 福井 哲郎 |
住所 |
〒790-0014 愛媛県松山市柳井町1丁目15-7 (銀天街GET跡から中の川通りへ向って正面) |
交通アクセス |
・ 伊予鉄道「松山市駅」より徒歩 約9分(約700m) ・ 銀天街「GET」跡より徒歩 約1分(約100m) |
駐車場 | あり |
診療科目 | 麻酔科・ペインクリニック内科 |
診療時間 | 午前 9:00~午後 1:00 |
休診日 | 火曜・祝日(日曜診療) |
TEL | 089-921-9658 / 090-1327-9658 | FAX | 089-913-5277 |